伝統的な滋養食「土用しじみ」と「寒しじみ」とは?

夏の疲れ予防に「土用しじみ」

一年中獲ることができるため日本で最も多く獲れるヤマトシジミは、産卵期を迎える夏に旬を迎えます。この時期のしじみは栄養価が高まり、うま味成分のコハク酸やアラニンが増えて味も良くなります。
しじみは縄文時代の遺跡から殻が発見されたこともあり、古代から食べられていたといわれています。「土用しじみは腹薬」という言い回しがあるほど、夏に食べるしじみは滋養食として重宝されていました。
夏の暑い時期に失われがちな、マグネシウムやナトリウム、鉄分などのミネラルが豊富で、タウリンやオルニチンは夏バテ対策にも効果的です。さらに整腸効果や血圧を安定させるなどの効果も期待できるため、土用といわず、毎日続けて食べたい栄養が満点です。

土用しじみとは

土用とは、日本独自で決められた雑節の一つで、一年間を24節に分け、立秋や春分などで知られる24節気を補うために作られた呼び名です。五行思想により、春は木、夏は火、秋は金、冬は水、そして、季節の変わり目は土が割り当てられています。さらに年と同様に日によって十二支が存在します。
土用丑の日に食べる「土用うなぎ」が有名ですが、これは江戸時代に、発明家としても有名な平賀源内が、冬に旬を迎えるうなぎを夏も売るために「土用うなぎ」として売り出したことで広まったといわれています。
うなぎを売るために、丑の日にちなんだ「う」が付く食べ物を食べて、無病息災を祈願すると理由付けされているため、「う」が付く梅干しやうどんなども食べられていたという説もあります。

「寒しじみ」とは

一年中獲れるしじみですが、夏と冬の2回、旬があります。
しじみは水温が低くなると、砂の底深くに潜って静かに冬を越します。そのため水揚げ量が減少しますが、この時期に獲れるしじみは、寒い季節を越すための栄養を蓄えます。身の大きさも通常のしじみよりも一回り大きくなり「寒しじみ」と呼ばれ、稀少価値が高まります。
北海道の藻琴湖や青森県の十三湖、島根県の宍道湖で獲れる寒しじみが有名で、水温が低くなればなる程うま味成分のコハク酸が増し、美味しくなるといわれています。

風邪やインフルエンザにかかりやすく、免疫機能を高めたい冬場は滋養強壮のため栄養価の高いしじみが重宝されてきました。「寒しじみは風邪薬」とも呼ばれています。

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