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しじみの成長過程について知ろう

日本国内でみられるしじみ

国内で流通しているしじみは、市場に出回るしじみの99%を占めるヤマトシジミと、あまり目にすることのないマシジミ、琵琶湖固有種で稀少価値の高いセタシジミの三種類です。スーパーなどで生鮮食品として売られているしじみのほとんどはヤマトシジミです。
産卵期前の栄養を沢山蓄えたしじみを「土用しじみ」、越冬のために栄養を蓄えた冬に摂れるしじみを「寒しじみ」と呼び、元気が欲しいときの滋養食材として昔から食べられています。しじみの寿命は10年前後が一般的だといわれています。

しじみの産卵期

しじみは夏から秋頃にかけて、産卵期を迎えます。
ヤマトシジミとセタシジミは雌雄別体で、それぞれが水中に卵と精子を放出します。卵の大きさは約0.1mmで、一度に数十万個の卵を産みます。水温にもよりますが、孵化するまでは一日程度です。マシジミは雌雄同体のため自家受精が行われ、卵胎生のため親貝の保育嚢で孵化されるといわれていますが、水温や環境によって卵生となり、卵を放出することもあるようです。

しじみの卵~幼生期

水中で受精したしじみの卵は、浮遊しながら分裂と成長を続け、トロコフォア幼生とベリジャー幼生と呼ばれる時期を経て、着底します。受精から1週間程度で殻が成長し、稚貝となります。生後3年で1.5センチ、生後4年ほどで2センチくらいの大きさになります。ヤマトシジミとセタシジミの場合、受精から幼生期にかけて多少の塩分濃度を必要とするため、真水では成長できません。

植物プランクトンなどの浮遊物質を鰓(えら)でろ過し、食糧とします。しじみが成長するために適した底質は、泥と粘土含有率が10%以下で、強熱減量(土壌の有機物含有量)5%以下であることが理想的です。ほかにも、塩分や水中に溶存する酸素量も発育に影響を及ぼします。

しじみの成熟期

しじみ受精後約2年で1.2センチを超える大きさになり、成熟期を迎えます。しじみの貝殻には、いちばん盛り上がった部分の穀頂を中心に成長するため、木でいう年輪のような成長脈と呼ばれる線ができます。この線で年齢を推定することもできます。
水温の影響を受けやすいしじみは、水温12.5度以下の冬季になると、自身の3倍近くの深さまで砂の中に潜り、代謝を極限に抑えて静かに越冬します。
春から秋にかけて、水温が20度を超える春から夏頃になると、底質の表層で生活し、活発に動き回ります。ヤマトシジミは産卵期が近づくにつれて身の色にも変化が見られます。雌は卵を抱えるため黒味が増し、雄は精巣の成長により白くなるので、見た目で雌雄を見分けることができます。

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